会社員でも個人事業主になれることをご存知ですか?
企業に勤める会社員である私は、2020年にオンライン秘書の仕事も始め、毎月定期的な収入をいただいています。
個人事業主になるという発想は全くなかったのですが、2021年1月になってからるちこさん(@aineruchiko)の「副業実践アカデミー」に参加し、「開業したほうが良い」と教えていただきました。
どうやら開業届を出すと、「アオイロシンコク」で「セツゼイ」になるとのこと。
・・・???
「副業としてある程度の収入を得たら確定申告しなければいけない」程度の知識しかなかったので、早速詳細を調べてみることにしました。
この記事では、
- 開業届って?
- 確定申告の方法:青色申告と白色申告のメリット・デメリット
- 青色申告できる場合とできない場合
- 開業届と青色申告承認申請書提出のタイミング
について、まとめていきます!
(1)開業届って?
「開業届」とは「個人事業の開業・廃業届出書」のことで、個人が開業したことを税務署に届け出るための書類です。
提出することによって変わることは、主に下記の2つです。
・個人事業主になる
・青色申告ができる
(2)確定申告の方法:青色申告と白色申告の違い
事業所得などの確定申告の方法には、青色申告と白色申告があります。
開業届を出して、青色申告ができることのメリットは何なのでしょうか?
青色申告のメリット
・申請できる経費の幅が広がる
・特別控除を受けることができる
・白色申告と比較して課税額が小さくなるケースが多い
税額の算出方法
事業収入により所得を得た個人は、所得税を納税しなければなりません。
所得税とは1年間に得た所得に対してかかる税金のことで、下記の通り計算します。
収入ー経費=所得金額
所得金額ー所得控除=課税所得金額
課税所得金額×税率=税額
見ていただくとお分かりになるように、経費と所得控除が多ければ多いほど、課税対象となる所得金額が少なくなりますよね。
申請できる経費の幅が広がる
その① 少額減価償却資産の特例
本来だと、パソコンや車などの1年以上利用する備品で10万円以上のものは、使用できる期間にわたって費用に計上する減価償却を行わなければなりません。
青色申告をしている場合は「減価償却の特例」があり、30万円未満のものを購入したときに全額費用にすることができます。
白色申告に比べ青色申告の方が早く費用に計上できるので、それだけ税金を安くできます。
例えば、所得が100万円の年に16万円(耐用年数4年)のパソコンを買った場合は下記の通りとなります。
<青色申告をしていない場合>
所得ー計上できる経費=課税対象の所得
100万円ー(16万円÷4年)=96万円
<青色申告をしている場合>
所得ー計上できる経費=課税対象の所得
100万円ー16万円=84万円
特例を使えば経費を12万円前倒しすることが可能なのです!
その② 家事按分
また、自宅兼事務所の家賃や電気代、保険料、インターネット代、電話料金などの「家事関連費」は、事業の経費に計上することが可能です。
ただし、経費になるのはあくまで仕事の部分だけなので、合理的な割合を用いて按分する必要があります。
特別控除を受けることができる
「控除」とは、一定額が差し引けること。
青色申告者は、事業のお金の流れを正確に申告する代わりに、課税対象となる所得を減らすことが可能です。
では、青色申告のデメリットは何なのでしょうか?
青色申告のデメリット
・複式簿記で帳簿をつける必要があり、ちょっとだけ面倒くさい
単式簿記と複式簿記の違い
白色申告は単式簿記で済みますが、青色申告は複式簿記で帳簿をつける必要があります。
単式簿記
収入の合計から支出の合計を引き、手元のお金がいくら増えたのか減ったのかを記載する方法です。
お金の入出金の増減のみに着目しており、家庭でつける家計簿みたいなものです。
単式簿記の場合、例えば銀行から100万円の融資を得た場合でも入金されたお金として記録されるため、正しい財政の状態がわからないというデメリットがあります。
複式簿記
取引を仕訳し、複数の科目で記載する方法です。
お金の入出金の原因と結果の両面が記帳されているので、正しい財政の状態を把握するが可能です。
簿記の知識がなくても、複式簿記形式で帳簿づけができる会計ソフトもありますし、心配する必要はないかなと思います。
・・・
ここまで調べて、完全に「よし!開業届を出して青色申告するぞ!」という気持ちになってきた私。
残る懸念は2つ。
1つ目は「会社員の副業収入であっても青色申告できるのか」、そして2つ目は「既に事業を始めてからしばらく経っていても大丈夫か」という点です。
(3)青色申告できる場合とできない場合
会社員は給与所得となりますが、副業で「事業所得」、「不動産所得」、「山林所得」の3つのいずれかの所得があれば、青色申告ができます。
ここでは「不動産所得」と「山林所得」はあまり関係ないので、「事業所得」として認められる副業と、「雑所得」とみなされてしまう副業についてまとめます。
「事業所得」として認められる副業
継続、安定的な売上があると、事業所得があると認められます。
「雑所得」とみなされる副業
一方、雑所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得及び一時所得のいずれにも当たらない所得のことを指します。
片手間や趣味でやっていて、小遣い稼ぎ程度の収入を得ている場合は、事業所得と認められない場合があります。
事業所得として認められなかった所得は、雑所得として扱うこととなります。
所得の定義はあるものの、明確な基準は設けられていないようです。
私の場合は、業務委託契約で毎月定期的な収入があるため、「事業所得」として認められると思います。
(4)開業届と青色申告承認申請書提出のタイミング
開業日に明確なルールはありません。
開業届は開業したことを報告する届出であるため、開業前に出すことはできないものの、開業日から1カ月以上経過していても、開業届は受け付けてもらえます。
しかし、青色申告したい場合、青色申告承認申請書は開業から2カ月以内に提出する必要があるので、開業日から2カ月以上経過しないようにしましょう。
1月1日~1月15日に開業した場合は、青色申告承認申請書の提出期限は3月15日までなので、注意が必要です。
提出期限に遅れた場合、初年度については青色申告できず、白色申告をしなければなりません。
私の場合、昨年2020年のうちに開業届・青色申告承認申請書を提出できなかったので、2020年1月1日〜12月31日の課税金額は、2021年2月16日から3月15日の間に白色申告します。
今年2021年1月1日〜12月31日の課税金額は青色申告したいので、1月中に開業届・青色申告承認申請書を提出することにしました。
・・・
いろいろ調べて納得!
こうして2021年1月14日(木)、税務署に開業届・青色申告承認申請書を提出し、「会社員」兼「個人事業主」になりました!
引き続きよろしくお願いいたします。